GUEST#13 荒木久尚さん

営業職

 

それは、時にクリエイターに距離を置かれる存在。

 

僕は、ウェブデザイナー時代営業さんを警戒していた。

もちろん素晴らしい営業さんも沢山いるけど

 

「これ明日までにできる?」

「コーディングって何?」

「できないっていうな!」

 

なんて言ってしまう恐ろしい営業さんもいました……

 

おそらく、そんなトラウマをかかえて

営業さんに心を開かないクリエイターは数多くいることでしょう。

 

しかし、WHITEBASEはある噂を聞きつけました。

「クライアントから絶大な信頼を得つつクリエイターの心を開かせるアド仙人がいる」

 

そして、探しました。

見つかりましたよ。奥さん!

 

今回のゲストは

熊本が誇る広告仙人こと

共栄コア代表取締役社長 荒木久尚さんです!

 

ひょいっとあらわれた荒木さん

僕がWHITEBASEの参加者のみなさんと談笑していると

 

ひょいっと

 

荒木さんは現れました。

 

チェックのシャツにニューバランスの靴。

 

リラックススタイル。

 

大抵、講師の方が来られると

会場がちょっとピリッとするのですが

今回は空気は変わらずいつもどおり。

 

そう、お気づきいただけただろうか?

 

これも仙人の「術」のひとつである。

 

その場の雰囲気に同調し瞬時に馴染む

あたかも

 

「え、俺最初からいたけど?」

 

と錯覚させるコミュニケーションスキル。

 

僕は出会って数分で感じた。

 

「只者じゃない」

 

と。

 

真面目な話を脱力して話すということ。

僕は荒木さんのプレゼンを現場で聞いている時

まったく難しい話をしてる感覚はなかった。

 

しかし、いま頂いたプレゼン資料をみていると。

結構難しいこと書いているのだ。

 

これは程よい「脱力感」がなせる業と校長は分析した。

強い言葉や難しい言い回しを使わず

肩の力の抜けた語り口。

 

そう、

This is最高に調度いい話術なのである。

 

そんな荒木さんのプレゼンは自己紹介から始まった

広告業をバリバリこなしながら田崎市場でも働いている。

ちなみにこの日も25時くらいまで一緒に飲んで翌日6時には田崎市場で働いていた。

仙人は常人の体力を超越している。

 

見失いがちな3つの視点

 

僕は会社員からフリーランスになって気づいた一番大きなことがある

それは

 

「経営者の視点」

 

もう、とにかく仕事サボったら子供のオムツ代もなくなる。

外注費適当に計算してたらすぐに赤字になる。

クライアントから怒られたら「ひぃもう終わりやぁ〜」ってくらい落ち込む。

 

あくまで個人事業主の小さな経営視点ですが

会社員の頃と比べると打合せも企画もクライアントの視点にたってめっちゃ考えるようになりました。

 

そして、荒木さんのプレゼンでは

①企画者の視点

②経営者の視点

③消費者の視点

 

みっつの視点から観察し問題点を抽出し課題を導き出し解決策を考えると話されていました。

 

これって簡単そうにみえて、実はとても難しい。

人にはバイアス(思い込み)があるので気づくと自分本位の企画や提案になりがちです。

これはデザイナーも営業も全ての業種におこる現象だと思ってます。

 

なので、どんなに忙しくても、気分がノッてても一度立ち止まって

「3つの視点でもう一度考えてみる」というのが重要ということです。

 

わしらの世界は終わりなき勉学の旅じゃよ

続いて、取り扱っている広告の全体像を説明していただきました!

その中で自分たちがどのようにアプローチしていくのか?

 

普段、ウェブやグラフィックといった一部の制作のみしている人も

全体を知ることは非常に有益です。

 

そして先程の3つの視点を正確に得たいのであれば

マーケティングや経営学の勉強は必須です。

 

この2つは営業に限らずクリエイティブ系の人たちも勉強することで

コンサル機能のあるクリエイターになることができます。

 

もうこれってコイキングとギャラドスくらい違います。

 

特にウェブ業界は、

仕事を受注する時に

ビジュアルファーストからマーケティングアプローチへ変わってきています。

 

例えば、クライアントのウェブサイトのリニューアルが

他社コンサルさんの「アクセス解析を駆使した提案」で持っていかれちゃったりします。

 

そんな時、コンサル機能のあるクリエイターだと

理論と感性の二刀流なので圧倒的に強い提案で反撃できるわけです。

 

勉強。勉強でございます。

 

ヒアリングを制すものは広告を制す

ヒアリングの重要性。

もうこれはフリーランスになって痛いほど味わいました。

上手くいかなかった案件を振り返ってみると大抵ヒアリングが十分じゃなかったんです。

 

自社のこと→御社のこと→自分のこと

 

この順番はとっても大事で

気づくと「自分のこと」ばっかり喋ってしまうことがあります。

 

これは手っ取り早く「仲良くなれる」からです。

 

確かに仲良くなるとちょっとしたミスは許される関係になるかもしれません。

しかしそれはお互いの仕事の本質を理解せずに進む広告の旅になるので

どこかのタイミングで関係性が崩れます。

 

狼が襲ってきた時に「うわ!こいつ全然戦えないじゃん!」ってなったりします。

 

僕は何もできない。

荒木さんは言いました

「僕はデザイナーみたいにかっこいいデザインしたり、プログラマーみたいに難しいこととかできないんです。出来ることといえばピリッとしたり淀んだ空気を綺麗にすることくらいです(笑)」

 

自分がデザインしたウェブサイトをお客さんに見せて、色々言われた時に反論してしまい変な空気になることがあります。

 

プロジェクトがデスマーチになった来た時にメンバー同士で喧嘩になって最悪の空気になることもあります。

 

そういう時に「空気清浄機な人」に何度助けられてきたか!

 

トラブルが起きた時に空気になるんじゃなくて

空気清浄機なるべし!

 

プロモーション金言集

「広告は公害」

広告の仕事をしていると作り手側の意識になって

「広告って素晴らしい!」という勘違いをしてしまうんです。

この意識は常に持っておかないといけないなぁと思います。

 

「似合わない服は着せない」

誰しもが最高にCOOOLな格好が似合うわけじゃない

僕がいきなりブルーノマーズみたいな格好で表れたら格好のDisの標的になっちゃうよ

 

「信頼できる人からの口コミには勝てない」

どんなに広告でお化粧しても本質は変わらないです。

最後はいいものは口伝てで広まるものです。

 

「万能ではない」

やっぱり石を玉にできないし、しちゃいけないんですよ。

 

「効果を決めつけない」

上手く行っても行かなくても、そこには必ず要因があります。

決めつけじゃなくてしっかり分析しましょう。

 

「同じ事業なら年々広告予算は減っていくようにする」

これ一番好きな言葉です。最適化!

 

営業とクリエイターは同じ線上にいる

営業とクリエイター。

そこには対立軸が生まれやすい。

 

でも、今日荒木さんのお話を聞いてそれらはお互いの「勉強不足」が原因だと僕は思いました。

 

営業はクリエイティブを

クリエイターは営業を

 

お互いの仕事を理解しつつ

マーケティング、ブランディング、経営といったクライアントのための共通知識を身につけることで同じ線上で課題と戦う仲間になるはずだと思います。

 

クリエイターの子たちから

「すごく興味深い内容だった」

「紹介された本を買って読んでみようと思います」

「優しくてこれからの仕事に役立つ講演だった」

といった声が上がってました。

 

すごく良いWHITEBASEになりました!

荒木さん、本当にありがとうございます!

 

今宵もオープン「スナック松田」

WHITEBASEが開催される時でオープンする幻のスナック「松田」

今宵も多くの人の胃袋を満たしました。

 

 

相変わらずの旨さ!松田さんを見てると元気になってきます(笑)

仕事で講演に間に合わない!!って人もスナックオープンしてるから遊びにきてねー!

 

 

野田陽介

小卒系フリーランサー。たくさん本を読むと頭が良くなると思っている。 あと、肩幅と収入は相関関係があると信じており、日々鍛え続けている。 最近はwebデザイナーのはずなのに、ブロガーと思ってる人が多い 自社サイトのブログで好き勝手ブログを書きまくった結果 「妖怪チ◯ポ」と「親戚のおじさん」で上位検索されるようなった。

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