「焼きちゃんぽん」
「焼きそば」
たとえば、このふたつのメニューが並んでいたら
どっちを頼むだろうか。
メジャー感で選ぶなら、
ダンゼン「焼きそば」だろうし
ちゃんぽんを焼くって、どうよ?
ちゃんぽんに悪くね?
なんて、王道を好むなら
ダンゼン「焼きそば」だろうし
ランチにも冒険心は必要だ!
なんて、小さいことにもチャレンジ精神を
求めるなら「焼きちゃんぽん」だろうし
5月生まれの今日のあなたは、
新しいことにツキがある、
なんて、新聞の占いコラムで見た日には
やっぱり「焼きちゃんぽん」だろうし
ってなわけで、
8月の某日、ヤマウチが食べたこのメニューは
どっちでショーーー!
正解は、
「焼きちゃんぽん」です。
この画像を見ただけで、
「あ、これちゃんぽん麺だし」
ってわかった人は、ある意味天才です。
見た目では、ちゃんぽん麺かやきそば麺(中華麺と言うの?)
違いはわかりません。私はね。
食べてみても、ちょっとスープ吸ってるかなぁ、と思いつつも
「はい、焼きそばどうぞ」
と、この料理を差し出されたら、
ああ、焼きそばね、と思っちゃうくらい。
ググってみましたが、
ちゃんぽん麺は煮込んでもおいしいようにできている、
という説明がいちばん「はー、なるほど」と思ったけど、
明確に、ここからがちゃんぽん麺ですよ、という線引きは
ないようなことが書かれていた。
製麺所のサイトでは、
長崎のちゃんぽん麺だけは、特別なかん水の一種が使われている、
ということでした、けどね。
あ、
何が言いたいのかといったら、
「焼きちゃんぽん」と「焼きそば」
ひとくくりにしたら「焼きそば」でいいじゃない!
ってところを、あえて「焼きちゃんぽん」という名前をつける。
ってことは
「うちのは、ちゃんぽんのスープをソースに入れてるんよね」
だったり
「焼きちゃんぽんと焼きそば、ちゃんと麺を変えてつくってるぞ」
だったり
その店が、この「焼きちゃんぽん」というメニューに込めた
背景がイメージできたりもする。(勝手に)
そういう、ちょっとした違いだったり、見つけるのが
私たちの仕事なんだなぁ、、、と
焼きちゃんぽん(まじ、おいしかった)を食べながら
ふと思ったわけです。まじめか!
あ、ちなみにこの焼きちゃんぽんは、
RKKの本社近くにあるお店でいただきました。
おいしかったよ。
本題に、あまり関係ないかもしれないけど、
「消す」という消しゴムの機能を、
ちょっと違った視点で見つめたこの名作コピー。
なぜか、ふれるたびに、ジーンッとしてしまうのです。(滅多にしません)
人は、
書くことと、消すことで、
書いている。
消しゴムを使う人を見ると、あ、この人はいま、一生けんめい
闘っているんだな、と、なんだかちょっと応援したくなります。
自分の想いを、正しく、わかりやすく伝えるにはどう書けばいいのか。
それと真正面から向きあい、苦しみ、迷いながら、でもなんとか
前へ進もうともがいている。消す、という行為には、人間の、
そんなひたむきな想いがこもっている気がしてなりません。
文具づくりにたずさわって、まもなく100年。トンボは、
「書く道具」と同じくらい、「消す道具」を大切に育ててきました。
日本の定番と言っていい消しゴム。品質をみがくことで、
大きな市場を切り開いた修正テープ。そこにあるものを、すばやく、美しく
カンタンに消し去ることで、この世にほんとうに
生まれて来なければならなかったものが姿をあらわしてくる。
消すことは、また、書くことである、と信じるトンボです。
トンボが動いている。
人が、何かを生み出している。