長野の「パンと日用品の店 わざわざ」ってご存知ですか?
決してアクセスが良いとも思えない山の上にあって、通りすがることもないような場所にあるのに、年商1億7000万円を売り上げる名前の通り、パンと日用品のお店。
パンは、食事パンのみの2種類を焼いて販売。カンパーニュは自家製酵母で薪窯で焼かれたもの、食パンは微量イーストで長時間発酵させガスオーブンで焼かれたもの。
取り扱いの日用品は、食品・日用雑貨・衣服・靴など2000種類を超え、店内には所狭しと衣食住に関わる品を展示販売。
その他にも、オリジナル商品の開発もしていて、わざわざオリジナル商品は現在20種類ほど。
↓オンラインストアは、こんな感じ。
2009年にオープンし初年度は年収200万円だったのに、8年後の2017年には80倍以上に。でも、基本スタンスは「無理をしないこと」。いろいろなことを”辞めた”結果、パンは2種類しか売ってない。人気商品だったベーグルも、近くにベーグル専門店ができたら作るのを辞めて、その専門店に行くことを勧める。
そして、悩みも年収も全部公開してしまう「スケルトン経営」…と、特殊な経営スタイルで話題になる「わざわざ」の店主 平田 はる香さんをお呼びして開催した「わざわざの働きかたinくまもと」のレポートを、今回は書いてみたいと思います。
↓こちらが、平田はる香さん。
始まりは突然に。
いつもは私がゲストの方へ「熊本に呼びたいです!」とか連絡して、まわりの人に巻き込んで企画がスタートするわけですが今回は、ちょっと違う始まり。
Twitterで突然、BridgeKumamotoの佐藤さんから…、
突然の名指し。
というか、テレパシー。苦笑
話としては、わざわざの平田さんって、長野のお店にいらっしゃることが多いので他の地方とか行かれてるイメージないんですが、ちょっと全国に行って、自分の本を手売りしてまわりたい、と。で、多分、佐藤さんが、その平田さんを熊本に呼びだいんだろうな〜と把握。
佐藤さん、いつも私の企画に巻き込んでばっかりだし、これは流しちゃうのはダメだな…と思い、
さっそく、オファー。
こういうの出来る出来ないとか考えたらダメですよね。とりあえず、オファーして見てから考えるやつです。笑
そして、
佐藤さんもしっかり巻き込む。笑
そこから数分後…、平田さんから返信がきて、
決まったーーーーーーーー!!
(最近、オファーしたら、快諾してもらうことが多くて嬉しい。笑)
という感じで、平田さんの来熊が決定!!
で、↑の経緯のスクショを見返してもらいたいのですが…、佐藤さんからテレパシーが飛んできたのは15時31分で、来熊が決定し私が「承知しました。めちゃくちゃ楽しみしてます!!」と送ったのが16時24分。
このやりとりで、1時間もかからずにTwitterでイベントが決まる世の中ですよ。笑
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熊本よ、これがインターネットだ!!
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わざわざの働きかた。
そして、イベント。
今回も会場は、九品寺のビジネスホテル「RESTERS BED&CO. 」のホール。
満員御礼、立ち見が出るほどの沢山の参加者の方に来ていただきました。
私は、インターネットで話題のサービスやコンテンツを作られてる方をお呼びすることが多いのですが、今回は食や小売を主軸とされてる平田さんがゲスト。これまでの方と同じようにインターネットを使いこなされてる方がゲストだとしても、参加してくださってる方の職種は全然違って、今お店をされてる方、これからお店を始めたいと思われてる方が多かったようです。
子連れ参加のママさんが数名いらっしゃたのも初めてかも。
で、今回のイベントではは、私はモデレーターなどには入らず。
前半は平田さんから情報発信や働き方をテーマにしたプレゼンテーションで、後半は会場からとの質問タイムという構成にしました。
平田さん、今回の地方巡りでイベントに出まくったことで資料も喋りも完璧に仕上がってるという事前情報が入ったので、お任せしようと。笑
というわけで、その中でいくつか印象に残った話題を、3つピックアップしてご紹介。
一緒に働くのは「気の合う人」だけ
最近、ITスタートアップのPRを担当させてもらうなかで、人事や採用に関わる機会が増えてきてるんですが、この話には結構考えさせられるところがありました…。
「気があう」のがいいとは思いつつ、スキルで探した方が所謂「求人」て出しやすいところはありますよね。箇条書きで、これとこれとこれができる人!って当てはまる/当てはまらないが、はっきりするので。だけど、このカルチャーフィット的な採用ができる条件って、自社のサービスなり商品を日頃から触ってくれたりすることと、それに加えて自社の良いところも弱みも発信していってることが前提だと思うんですよね。
スキル採用なら、事業が急成長するとき、誰かに合わせてシステムを変化させるとき、組織のどこかに歪みとか生まれやすそうだけど、そもそも「全員が気の合う人しか採用しない」なら、議論があったとしても納得や解決は早いのかも?と思うとこはありますね。
「やらせる」はしたくない
わざわざは、スタッフが「これ、これこうしたい」と思う方向へ進んでいくことがベストで、「やらせる」はしたくない。
人には得意不得意があって、やりたいこととやらせたいことは殆ど一致していない。
このことに気がついた時に、一時期うまく行かなかった理由がわかった。
適材適所ができていなかった。一律にやらせたい仕事をやらせようとした自分が悪かった。
私も「やらせる」て、あんまりしたくない派なんですよね。笑
やっぱり人って、「好きこそものの上手なれ」ってことわざもあるし、自分がやりたいことをやった方が力を発揮できると思うし伸びると思うんですよね。結果的にそっちの方が能動的に動けるし、いろんなプロジェクトでも勝率が上がると思っています。
やりたいことをやってる人、やりたいくないことをやってる人、どっちかと言えば前者の方が人の感情を掴みやすいですし、運も引き寄せやすい。
ただ、チームで動く以上、会社や事業の方針転換の中で、誰かがやりたくないことをやらざるおえなくなることってあるなーと思って、難しさも感じる今日この頃。。。私は、「あー、だったら、私がそれ巻き取るから良いよ〜」とか、すぐ言いたくなるんですけど、立場上それをやってられない場合もある。
難しいなーと思うことも多いですが、理想は掲げてないと現実化できないよな〜とも思うので、試行錯誤していくしかないのですが。笑
わざわざのパッション
わざわざの理念は、「すべては誰かの幸せのために」。
身近な人から幸せにしたい。自分自身、家族、同僚、お客さんや取引先、どんどん幸せがつながっていく。
その先に、地域貢献があって、長野県に行こう、観光しよう。となってくれたらいい。
幸せはどんどん波及していく。そして、社会の角度を一度でも変えたい。
私、「すべては誰かのために」というほど、愛が深くはないのですが、身近な人から幸せにすれば、それが波及していく…という話は同じように思ってました。なんか、みんな幸せにできるのが良いけど、ネルギーも時間も限りあるなかで、自分ができることって限界があると思うんですよね。
で、私、4-5年前に嫁と結婚してすぐくらいの頃、一回起業して失敗して借金つくって、極貧生活になって、夫婦で鬱になって…ということがあって、自分の事業で幸せにしたいと思ってた人たちお幸せにできず、家族も幸せにできず…と、もうクソみたいな感じだった経験があります。「あれ?幸せにしたい/なりたくてやってるのに、自分も含めて誰も幸せになってないじゃん」みたいな。
そんな経験があったんで、遠くの人まで幸せにすることは諦めまして。笑
まずは身近な人から、家族や友達、自分と関係が深い人のことだけ動くようにしてます。
私の場合、その人達のためになることを徹底的に考えてやってたら、いつ間にか仕事になったので、ありがたい限りですね。汗
最後に。
まず、参加者の皆さんの感想はこんな感じ。
で、最後に私の感想。
「働き方」の議論って、この1-2年でめちゃくちゃ増えたと思うんです。そんな中、平田さんの話は、他ので聞いたことのない理想論ようで現実にやってる話で。理想でも、ちゃんと整理して分析して、現実化のために動くって大事だなぁ…と改めて思いつつ、背中を押してもらえたような感じがきました。
個人のやりたいことや特性や事情を受け入れる柔軟性と、組織として同じ方向を向いて進むことを両立させること。引き続き、模索してみたいと思います。
あ、そうそう!
今回、パン屋さんのイベントってことで、長野からわざわざのパンを取り寄せてコーヒーと一緒に振舞ったり、シュトーレンの限定販売をしたりもしました。特にパンの振る舞い、「せっかくだし食べたいよな~」と安易に決めたんですけど、冷凍で送ってもらって、朝か焼き直して、全部カットして…と、まぁまぁ大変でしたが、喜んでもらえてたのでよかったです。笑
以上、今回も、皆様お付き合いいただき、ありがとうございました~~!!